どうも、広く浅いオタクの午巳あくたです!
100万年ぶりにマーベル映画を観てきたので、率直な感想を語りたいと思います。
ネタバレ等は配慮しますので未視聴の方も安心してください。なおあらすじに関しては上の動画を観ればわかるので、ここでは端折ります。
さて早速ですが。「サンダーボルツ」を観た率直な僕の感想としては……
きっと傑作なんだろうけど、ライト層には刺さりにくい!!
って感じですかね。
まずこの映画の基本は、アベンジャーズシリーズのように複数作品の登場人物たちが一同に会してなんやかんやありつつも、敵に立ち向かうアレです。
アベンジャーズが各作品の主人公が集まったのに対して、本作は元ヴィラン役が集まっているのが大きな違いですね。
つまり他作品を観ていないと、物語の全容が理解しきれないタイプの作品であるということ。
これはサンダーボルツに限ったことではなく、昨今のマーベル作品にはありがちな要素なのですが、正直なところ……
内容が良いだけに、その要素がもったいなさすぎる!!
と率直に思いました。
例えばアベンジャーズは、いわゆるお祭り映画としての側面があったため、視聴していない作品があっても特に問題が無かったんです。
現に僕もアベンジャーズを初めて観たとき、ハルクとマイティ・ソーは未視聴でしたが特に不便に感じなかったと記憶してます。
シンプルなストーリーとド派手アクションの応酬だけで十分に楽しめる部類の映画だったんですよね。
そして本作「サンダーボルツ」は、似たようなフォーマットではあるものの、内容やテーマはアベンジャーズとは全く異なるアプローチで描かれた、意欲作と言ってもいいほど斬新なマーベル映画です
本作はひょんなことから人類の危機に立ち向かうことになった元ヴィランたちをヒーローとして据えているのですが、その一人一人のキャラ造形が非常に凝っています。
誰もが心の傷や過去のトラウマを抱え、今の自分に疑問を持ち、生き方に悩んでいたのです。
そして本作におけるヴィランもまた、これまでのヴィランとは違います。
ネタバレに繋がるので詳しくは説明しませんが、人間的な弱さや暗い過去を背負い、それゆえに生まれた悪といったような造形をしていました。
つまり本作はキャラクターたちの人間性にスポットを当てた作品であるということ。
もちろんアクション映画なたため、派手なシーンは多数あるものの、アベンジャーズと比べるとそうとう控えめな印象でした。
監督がただの派手派手しいお祭り映画にしたくなかったのが、要所で見てとれたのです。
その描き方や演出も見事で、そのうえで重くなりすぎないようカジュアルな会話シーンなどを挟み、全体のテンポもとても良いと思いました。
政治的な主張も見受けられず、純粋にキャラクターたちの人間臭さを魅力的に描くことに注力していたのが、とても好印象です。
つまるところいたって良作だと言える映画だったのです。
だからこそ、やっぱりもったいない。
僕自身のマーベルの知見はというと、アベンジャーズのエンドゲーム以降の作品についてはかなり浅いです。
最新まで追っていたのは、スパイダーマンやガーディアンオブギャラクシーくらいで、本作の登場人物たちにまつわる作品についてはほとんど履修していない状態でした。
だから本作をを観ている時
これ、もっとキャラクターのことわかってたらもっと感動できたんだろうなあ
と思わずにいられなかったんですよね。
未履修でも十分に楽しめるよう工夫はされていたし、ちゃんと2000円分の価値はあったと思ってるんですよ。
でもなんていうか、初めて行った高級焼き肉店で、タン塩だけしか食べていないような、そういうもったいなさを感じたんですよね。
カルビとかハラミとか、美味しい部位がもっとあるはずなのに、それが味わえなかった感じ……え、この例えでわかります?
要するにせっかくキャラクターの人間性にスポットがあてられているのに、観ている側のキャラクターへの解像度が低くすぎて、どうもボヤっとしているんです。
もちろんそんなのは、「ちゃんと他作品を履修していないお前が悪い」と言われればそれまでなんですが、でも僕くらいの感じの人って少なくないですよね?
本作の登場人物たちを完全に把握できるほど、映画からドラマまでマーベル作品を網羅している人の方がむしろ少数派だと思うんです。
まあ昨今では「マーベル疲れ」なんて言葉が出てくるほど、マーベル映画の敷居は高くなっているため、どうしようもないといえばどうしようもないんですけどね。
ただサンダーボルツは、昨今では稀にみる良作だったため、もったいないなあと感じてしまったんですよ。
さて、ネガティブな発言が多くなってしまいましたが、何度も言うように作品自体は非常に良いです。
知見が浅くても十分に楽しめるのは間違いないので、劇場で観るのもぜんぜんお勧めです。