『Coda コーダ あいのうた』初心者向け徹底ガイド:あらすじ、キャスト、見どころ、感動の理由を解説

『Coda コーダ あいのうた』初心者向け徹底ガイド:あらすじ、キャスト、見どころ、感動の理由を解説 映画

どうも、広く浅いオタクの午巳あくたです。

今回は2021年に公開されアカデミー賞も受賞した映画『Coda コーダ あいのうた』について語りたいと思いますので、ぜひ最後までお付き合いください!

はじめに:『Coda コーダ あいのうた』の魅力と話題性

『Coda コーダ あいのうた』は、2021年に公開され、多くの映画ファンや批評家から絶賛を受けた感動作です。ちなみにタイトルである「CODA」は、”Child of Deaf Adults” の略で、聴覚障害を持つ親に育てられた子供を意味します。

アメリカの小さな漁村を舞台に、聴覚障害を持つ家族の中で唯一、聴覚が健常である娘ルビーが主人公の物語。

漁業を手伝いながら学校に通う生活のなか、音楽に出会い、彼女の歌唱力に才能を見出した音楽教師との出会いにより、人生の転機を迎えた少女の成長と葛藤を描いています。

この作品は、家族愛、障害のある人々が抱える課題、そして音楽の力をテーマにしており、日本ではそこまで大きな話題を呼んだわけではありませんが、観た人の多くを感動に包んだ名作です。

2022年のアカデミー賞で作品賞を含む3部門を受賞。特に、障害者を描く映画として、リアリティのあるキャスティングや演技が高く評価されており、手話を使ったコミュニケーションが映画全体の重要な要素となっています。

テーマこそやや重めに見えるかもしれませんが、全体的な雰囲気はとてもライトで非常に観やすい部類の作品だと思います。今回は、そんな『Coda コーダ あいのうた』をまだ観ていない方に向け、映画の魅力や見どころを徹底解説していきます。

あらすじ紹介:物語と主要キャラクター

主人公のルビー・ロッシ(エミリア・ジョーンズ)は、アメリカの漁村で家族と共に暮らす高校生。

彼女の家族は両親と兄の3人。ルビー以外の家族全員が聴覚障害を持っていて、ルビーは家族と健常者との間を繋ぐ役割を担っている。

家族全員が漁業を営んでおり、ルビーも仕事を手伝いながら、卸先との交渉などをこなし、その傍らで高校に通う忙しい日々を送っていた。

そんなある日、ルビーは高校の合唱部に所属することになった

自分の歌を披露したルビーは、教師のバーナード(ウジェーニョ・デルベス)からその才能を見出され、彼からボストンにある名門音楽大学への進学を勧められる

しかし、ルビーは家族の一員としての責任と、自分の夢の狭間で葛藤するはめに。また彼女の家族は、ルビーがいなければコミュニケーションや仕事で困難を抱えるため、進学に難色を示すのだった…

このように、物語はルビーが自分の夢と家族の期待の間で揺れ動く様子が丁寧に描かれています。少女らしい夢を持つ一方で、人より早く大人になってしまったがゆえの責任感が彼女を苦しめ葛藤させるのです。

また、彼女の障害となる要因が次から次へと現れるような展開は、定番ながらもジリジリと胸が締め付けられる感覚がしました。

キャストと手話の表現:演技と手話シーンの魅力

『Coda コーダ あいのうた』で最も注目すべきポイントの一つが、キャストの演技と手話の表現です。

映画の中でルビーの家族を演じる俳優たちは、実際に聴覚障害を持つ人物がキャスティングされているのです。特に父親フランク役のトロイ・コッツァーは、2022年のアカデミー賞で助演男優賞を受賞したほど。

彼の演技は、非常にユーモラスで思わず声を上げて笑ってしまいました。それと同時に、聴覚障害を持つ父親のリアルな姿を演じて…いや本当に耳が聞こえないのでリアルな演技っていうのもおかしいですね。とにかく間違いなくこの映画のキーパーソンだったと思います。

母親ジャッキー役のマーリー・マトリンも聴覚障害を持つ俳優です。すでにアカデミー賞で主演女優賞を受賞した経験を持つ実力派。娘を愛しながらも、彼女の夢に対する不安を抱える複雑なキャラクターを演じていたのが印象的でした。

そして映画全体を通じて、手話が重要なコミュニケーション手段として描かれています。

ルビーは声で話すよりも先に手話を覚えたようで、とっさのときに声ではなく手話が出てしまうシーンがあり、彼女の生い立ちの特殊さが際立っていました。

手話を通じて家族と語らい、ときにぶつかり合う様子は音声コミュニケーションとはまた違った雰囲気と緊張感があり、王道よりなストーリーを一味変えるエッセンスとして機能しているのが面白かったです。

また、ルビーが家族とコミュニケーションするシーンと、音楽を通じて自己表現するシーンの対比も興味深いポイント。手話という無音の世界と、音楽という音の世界を行き来するルビーの姿は、映画の中で彼女が抱える葛藤を象徴しているんじゃないかと思えます。

感動を呼ぶ理由と『Coda コーダ あいのうた』を観るべき5つのポイント

『Coda コーダ あいのうた』をお勧めするポイントは以下の5つです。

家族愛の描写

映画の中心には、家族の絆が描かれています。ルビーは家族を愛しており、その愛が彼女を支えていますが、同時に家族に対する責任感が彼女の自由を制約する要因にもなっています。

同時に家族もルビーを愛していますが、同時に必要ともしています。その必要はある種の依存めいたところがあり、あまり健全には見えません。

家族愛の美しい部分だけでなく、観てる方を本気でイラつかせるようなシーンもしっかり描くことが、最高のクライマックスを迎える上でのカタルシスとなっていました。

音楽の力

映画の中で音楽は、ルビーが自分自身を表現する手段として重要な役割を果たします。そして主人公の歌声はとにかく素敵です。本当にずっと聞いていられるような良い歌を歌うんですよね。

ですが誰よりも聞いてほしい家族には、残念ながらルビーの歌は耳に届きません。それがまた切ないポイントなのですが、しかしクライマックスには…この辺にしておきましょうか。

手話を通じた感動的な表現

聴覚障害を持つ家族とのコミュニケーションにおいて、手話は重要な要素です。映画の中で描かれる手話シーンは、感情を言葉以上に強く伝える力を持っています。

特に、ルビーと家族が感情を共有するシーンは、手話という無音のコミュニケーションの持つ豊かさを感じさせます。

リアルなキャスティング

聴覚障害を持つ俳優が実際に主要な役を演じることで、映画のリアリティが増しています。

例えば父親のフランクはヒップホップの音楽が好きだそうでその理由が、「重低音が体に響くから」らしいです。誰が考えた設定なのか知りませんが、個人的にリアルを感じましたね。

また耳が聞こえない人特有の発音なども、やはり健常な演者では真似しきれない部分があるだろうなと思いました。

アカデミー賞受賞作としての品質

『Coda コーダ あいのうた』は、2022年のアカデミー賞で作品賞、助演男優賞、脚色賞を受賞しました。

これだけの高評価を受けた映画には、ストーリーや演技、演出の面で非常に高い品質が保証されています。観る価値があることは間違いありません。

まとめ

『Coda コーダ あいのうた』はルビーという主人公の背景事情こそやや特殊なものの、ストーリー自体はかなり王道より、ゆえにとても見やすくてわかりやすいです。

でもだからといって「退屈」とか「陳腐」と感じさせないのは、丁寧な演出、役者の演技、音楽のクオリティなど、ひとつひとつの要素がとても高品質だからなんだと思います。

なによりも僕から言いたいのは、「とにかくクライマックスシーンを見てくれええ!」です。

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