「3月のライオン」の見どころとストーリーのポイント解説:あらすじ、人気キャラ、作者の魅力に迫る

「3月のライオン」の見どころとストーリーのポイント解説:あらすじ、人気キャラ、作者の魅力に迫る 漫画

どうも、広く浅いオタクの午巳あくたです!

今回とりあげるのは羽海野チカさん「3月のライオン」について語っていきたいと思います!

第24回文化庁メディア芸術祭マンガ部門大賞を受賞し、アニメ化、実写映画化も果たし、いずれも大好評というモンスターコンテンツである本作の、あらすじ・見どころ・キャラ解説や作者の魅力について徹底解説いたします。

ぜひとも最後までお読みください

あらすじとストーリーの全体像

「3月のライオン」は、将棋を中心に展開する深いドラマを描いた作品です。物語は、17歳の若きプロ棋士・桐山零を中心に展開されます。

桐山零は、将棋界での成功を目指して奮闘している少年。中学生でプロ入りを果たし、業界からも注目される天才棋士です。

しかし彼の過去には家族の死という悲劇があります。心の傷を抱えながら将棋に打ち込み、ときに孤独にさいなまれ、葛藤し苦しんでいるのでした。

そんな桐山は、美人3姉妹と出会いかかわっていく中で成長しつつも、新たな葛藤に苦しみ、そしてまたそれを糧に育っていく過程が、とても丁寧に描かれています。

彼が新たな家庭を見つけ、友情や恋愛、将棋の試合を通じて成長していくヒューマンドラマと言えるでしょう。

また三姉妹の家族や、将棋界のライバルや先輩、それぞれのキャラクターは非常に個性豊かで、それぞれに深いドラマがあります。

見どころ

「3月のライオン」の見どころは、何と言っても情緒的で感情豊かな描写です。

物語の中で特に印象的なのは、桐山零が将棋の試合を通じて自己を発見し、成長していく過程。彼の将棋に対する情熱と、試合の緊張感がリアルに描かれており、グッと前のめりになってしまうような吸引力がある描写は圧巻のひとここと。

それなら将棋を知らない、興味がない人には退屈なのかというとそうではありません。むしろこの作品のメインは、彼をとりまく人間ドラマにあるのです!

家族というものを知らず、どこか人間味に欠けていた桐山零が三姉妹と関係を築いていくなかで、出会ったことのない感情に葛藤しながらもそれを噛みしめ、自分の中に受け入れ、変わっていく様に、なんど涙腺を壊されたことでしょうか…

そして個人的にすさまじいと思うのが、これらのシーンのひとつひとつを、非常に繊細で情緒的な文章で表現している点。

例えば、作中にあるこんなモノローグ

帰り道
風の強い橋の上
おなかに抱えた弁当が
まるで
小さな生き物のように暖かかった

なんて情緒的で「伝わる」表現なのでしょうか…

寒い中、弁当の温もりに安心感を覚えているのが実によくわかります。

このあたりが「3月のライオンは絵の多い純文学だ」と評される所以なのです。僕自身、ハッとさせられる忘れられない言葉にたくさん出会えました。

それらの文章が個性的で温度感のある絵とともに記憶に刻まれる瞬間には、ある種の快感さえ覚えます。

「3月のライオン」人気キャラ紹介とその魅力

「3月のライオン」には多くの魅力的なキャラクターが登場しますが、その中でも代表的なキャラクターを紹介します。

桐山零

本作の主人公。17歳の高校生であり、プロ棋士。中学生でプロ入りを果たした神童で、他の棋士たちからも一目置かれている。

いっぽうで将棋以外のことに関してはいたって不器用であり、高校では担任の教師以外で喋る相手がいないほどのコミュ障。

川本 あかり

20代前半で川本家の長女。叔母の経営するクラブのホステスとしてバイトしており、桐山のよき理解者。彼が川本家とかかわるきっかけになった。

美人で料理上手なうえ、妹たちの母親代わりでもあるため母性的であり、良妻賢母を絵に描いたよう女性。

川本 ひなた

中学生の川本家の次女。

明るく溌剌とした性格で、動きもコミカルで表情豊かな女の子。桐山のことを「零ちゃん」と呼び、家族として受け入れている。

川本 もも

保育園児の川本家の三女。

愛らしさ溢れる元気な女の子。桐山によく懐いており、実の兄同然と思っている。

島田 開

A級に属するプロ棋士。普及にも熱心で若手からの信頼も厚い。

いっぽうで30代なのに薄くなってしまった頭髪や、慢性的なストレス性胃炎を抱えているなど、愛すべきいじられ要素も多数持ち合わせている

二海堂 晴信

桐山のライバルを自称する若手プロ棋士。まんまるとしたフクフクボディが特徴。

愛されキャラで周囲の大人たちから可愛がられ、将来有望なプロ棋士であり、おまけに実家は超がつくお金持ちと、天から二物も三物も与えられているかと思いきや、生まれつき難病を患っているため苦しい子供時代を過ごしたという背景を持つ。

「3月のライオン」の作者とその作風

「3月のライオン」の作者は羽海野チカ先生は、そのむかし「ハチミツとクローバー(通称:ハチクロ)」という作品でいちやく脚光を浴びました。考えてみれば、ハチクロもアニメ化や実写ドラマ化していて、一世を風靡した大人気作なんですよね。

しかし、それを凌ぐ勢いで人気作となったのが「3月のライオン」。それも前作が少女漫画だったのに、本作は青年漫画と、完全な畑ちがいの分野で成功したのですから、天才と言っても差しつかえないないでしょう。

もしかしたら、天才棋士である桐山の苦しみや葛藤は、羽海野チカ先生自身が経験したことなのかもしれませんね。

猫好きで知られ、作中でも非常にコミカルでかわいらしい猫ちゃんたちが登場します。SNSなどの投稿も愛猫を撮影したものが多いです。

そんな彼女の作風は、僕の独断と偏見で表するなら「描写される温度感」といったところでしょう。

キャラクターたちの心情が、紙面を超えて心を覆っていく感覚は、「理解できる」とかではなく、暑い、温かい、冷たい、寒いのように「実感する」という感覚に近いのです。

そしてその要素が、「3月のライオン」は将棋ファンにとどまらず、幅広く愛されている要因にもなっているのではないでしょうか。

まとめ

3月のライオンは、将棋漫画ではありますが、将棋ミリしらでも何の問題もなく楽しめる傑作です。

深い人間ドラマや、ときに胸をえぐるような描写がある一方で、全体的な雰囲気はコミカルでぬくもりに満ちているため、気軽に手に取れるのも魅力の一つです。

また単行本の巻数も2024年8月時点で17巻であるため、大人買いにもちょうどよいですね。

タイトルとURLをコピーしました