「レオン」映画の魅力を徹底解説!あらすじ、みどころ、名言、キャストまで紹介

「レオン」映画の魅力を徹底解説!あらすじ、みどころ、名言、キャストまで紹介 映画

どうも、広く浅いオタクの午巳あくたです。

今回は名作映画である「レオン」について語りたいと思います。

あのナタリー・ポートマンの出世作であり、映画ファンから高い評価を得ている本作のあらすじやみどころを徹底解説いたしますので、ぜひ最後までご覧ください!

「レオン」のあらすじとその魅力

1994年に公開された映画「Leon(レオン)」は、フランスの名監督リュック・ベッソンによるアクション・ドラマ映画です。物語はニューヨークを舞台に、孤独な殺し屋レオン(ジャン・レノ)と、家族を失った12歳の少女マチルダ(ナタリー・ポートマン)の奇妙な共生生活を描いています。

レオンは、無口で感情を表に出さないプロフェッショナルな殺し屋。そんな彼の隣に住むマチルダは、家族に愛されていない孤独な少女だった。

しかしある日、マチルダの家族がスタンスフィールド(ゲイリー・オールドマン)とその部下たちに皆殺しにされてしまう。

家族を失い、復讐を誓うマチルダはレオンに「殺しの技術を教えてほしい」と頼みこむ。

もちろん拒否しするレオンだったが…

この物語の最大の魅力は、孤独な二人が心を通わせていく過程です。レオンとマチルダの関係性は、単なる師弟関係や親子愛を超えた特別な絆であり、観る者の心を揺さぶります。

また、派手なアクションシーンと静かなドラマパートが絶妙に組み合わさっており、最後まで飽きさせない展開が「レオン」の魅力を際立たせています。

ジャン・レノとナタリー・ポートマン、圧倒的な存在感を放つ二大キャスト

まずは物語の主軸である二人を演じた俳優をざっとご紹介!

ジャン・レノ

出典:Wikipedia

1948年生まれフランス人の俳優。レオンをきっかけにハリウッド映画への出演機会が増え、「ミッション・イン・ポッシブル」「ダヴィンチ・コード」などの有名作にも多数出演。

丸眼鏡を愛用しており、彼自身のトレードマークにもなっていて、自身のアイウェア・ブランドを持っている。

本作の監督を務めるリュック・ベンソンとは名コンビとして知られ、彼が監督を務める「グラン・ブルー」や「ニキータ」、「WASABI」などにも出演し、いずれも高い評価を得ている。

ナタリーポートマン

出典:Wikipedia

1981年生まれのアメリカ人女優。「世界で最も美しい顔ランキング」の8位に選ばれたことがある。

「スターウォーズ」シリーズや「ブラックスワン」など、数々の名作で主演を務めゴールデングローブ賞やアカデミー賞の受賞歴もある。

いまでこそハリウッドを代表する大女優の一人ではあるが、レオンに出演していた当時は弱冠13歳のデビューしたての無名子役だった。本作をきっかけにブレイクし、いっきにスターダムにのし上がったと言える。

感想と解説:二人でなければいけない理由

この「レオン」という映画は、ジャン・レノとナタリー・ポートマンだからこそ成立する物語です。

例えばいまリメイクで同じ映画を作ろうとしても、おそらくは上手くいかないだろうと思います。

それくらい演じる役者がレオンを名作たらしめる重要なファクターであると、個人的には感じました。

まず本作の特徴として、ストーリーやアクションがメインではないということを述べておきます。

ストーリーは家族を殺された少女が、殺し屋の教えを請い、復讐をもくろむというもので、そこまで斬新な設定ではなく、プロットとしてもどんでん返しや急展開を見せるわけではありません。

リュック・ベンソン監督作らしいスタイリッシュなアクションは十分な見ごたえがあるものの、規模感といいボリュームといい、メインとは言い難いものがあります。

ではこの映画の主軸は何か?

それは主人公のレオンとヒロインのマチルダのラブロマンスだと思います。

レオンは設定上は30代半ば、演じたジャン・レノは当時41歳。ヒロインのマチルダは設定上12歳で、演じたナタリーは当時13歳です。

つまり年齢差30歳以上の恋模様がこの映画では色濃く描かれているということ。もちろん、露骨な性描写があるわけではありませんが、二人が恋愛的に惹かれあっている様子が雰囲気でわかるようになっています。

そして重要なのは、社会倫理的には絶対にNGなはずの恋模様が、美しい画として観客の心に刻まれるところです。

本来ならこんな二人が性的に惹かれあう描写なんて、例えフィクションであっても観ていられるもんじゃないでしょう。

しかし「レオン」という映画は、二人を応援したくなるような気にさせられてしまいます。その理由について、今回は考えてみました。

この設定でもっとも難しいところは、13歳の少女がアラフォー男を愛するという現象に、説得力を持たせるところだと思います。

アラフォー男が13歳の少女に惹かれるだけでは、ただの危ないオジサンに狙われるいたいけな少女という構図にしかなりませんからね。

ですが自分が監督になったつもりで想像してみてほしいのですが、そんな設定を観客に納得させるなんて、無理難題だと思いませんか?納得させるというのは、受け入れさせ、なおかつ魅力的なシーンとして印象付けるということですよ?

そんな無理難題をクリアして見せたのがレオンという映画であり、そしてナタリー・ポートマンという演者なのです。

当時のナタリー演じるマチルダは、「アラフォー男を愛する」という描写に納得感のある稀有なキャラクターだったわけですね。

まず当時のナタリーは年齢的にギリギリ「子役」というステータスでした。背格好もどれだけ甘く見積もっても15歳以上に見えません。

しかしナタリー演じるマチルダには、他の子役では出せないような独自の雰囲気があったのです。それが「アンニュイ」です。

可愛らしさや愛らしさを纏う子役は数多くいるとおもいますが、成熟した女性のような妖艶さやミステリアスな空気、そしてある種の神秘性を纏う13歳の子役なんて、はたして世界にどれだけいるでしょう。

ですがこのマチルダという少女にはそれがありました。全身を映す遠目のカットでは、少女らしい幼さを感じさせますが、顔、特に横顔のアップのシーンでは少女という枠を超えた美しさがあり、かつアンニュイな空気を醸していたのです。

そんな唯一無二の存在感が、「アラフォー男を愛する13歳の少女」という難しすぎる役柄に、しっかりと説得力を持たせていました。

そしてもうひとつ、この映画を名作たらしめる所以の一つが、いわずもがな主役の「レオン」を演じたジャン・レノです。

存在感という意味では、マチルダにやや劣りますが、レオンもまた非常に複雑でユニークなキャラです。

設定自体は、裏社会で殺し屋をしながら孤独に生きる中年男というオーソドックスなハードボイルドです。ですが、このレオンというキャラには明言はされていないものの、独特な造形があったと思います。

それは「幼児性」です。

見た目は渋い中年男性で、ファッションはいたってシンプルで、幼児性なんて一切感じさせません。しかし、随所で年齢にそぐわない要素を感じさせるシーンがありました。

まず「牛乳」というアイテム、レオンは基本的にそれしか飲まず、映画の随所に彼が牛乳を飲んだり買ったりするシーンがあります。

これは僕の偏見もあると思うのですが、牛乳って大人になるとあんまり飲まなくなりませんか?朝食に一杯飲んだりする人はいても、愛飲するほど常用している人って少ないと思うんです。

しかも映画内では、ストーリーとは本来関係のないアイテムなはずなのに、妙に牛乳を飲んだり買ったりするシーンを擦っている印象を受けたので、隠喩めいた何かを感じてしまいます。

おそらくですがこの牛乳というアイテムがレオンの「幼児性」を象徴しているのではないかと、個人的には思いました。

それだけでなく、もう一つ触れたいシーンが、冒頭の映画館のシーン。

レオンが映画館の座席に座り、スクリーンに映るインラインスケートで歌いながら楽し気に町を闊歩する男性を眺めるシーンがあるのですが、そのときの表情がやけに無邪気な顔だったんですよ。

それこそ楽しい映画を観ているときの子供のような、幼さを感じさせるものがありました。まだ物語が動いていない序盤も序盤のところで、かつ殺し屋として生きている孤独な男という印象だけだったので、あの表情はちょっと違和感を覚えたくらいでした。

またマチルダとレオンがじゃれ合うシーンもあり、本来なら父娘のような印象を受けそうなものですが、同年代の子供同士のじゃれ合いのように見えたのです。

おそらくレオンというキャラクターは、19歳のころから殺し屋として生き、孤独でアウトローなバックボーンを持つがゆえ「精神が歪に成長し、幼児性を残したまま大人になった」という造形だったのではないかと考察しました。

もしそうであるなら、こんな複雑なキャラを演じられる存在はそうそういないでしょう。だからこそジャン・レノという存在が重要なわけです。

つまるところこの物語は年齢にそぐわない成熟した精神を持った少女と、幼児性を残した歪な精神を持つ大人の恋模様だったというわけですね。

この前提の上で、以下のセリフの引用をご覧ください

「もう大人よ。あとは年を取っていくだけ」

「俺は逆だ。年は取ったが、大人になる時間が必要だ」

前者がマチルダで、それに対するレオンのアンサーが後者です。

マチルダのセリフはいかにも子供が背伸びしているような印象を受けますが、ここまでマチルダという少女を追ってきた視聴者からすれば、これ以上ないほどの説得力を持ちます。

そしてレオンのアンサーもまた印象的です。レオン自身が自分が大人として欠落した存在だと自覚していることを示しているわけですね。

このセリフは二人の関係性を象徴している重要なフレーズだと思います。

マチルダは酷い家庭環境で育ち、人一倍成熟した精神を持っていますが、体はまだ子供であるが故に無力で弱い存在であることへの葛藤を抱えていることがわかります。

いっぽうレオンは体は十分大人で、賢く、力もありますが、精神的に未熟な自分をマチルダとの出会いで実感しているのがわかります。

つまりお互いに欠落があり、お互いにそれを埋め合うような関係性が築かれているのです。

だからこそ、本来なら無理のあるラブロマンスに説得力をもたせ、社会倫理に反した関係性を応援したくなるんじゃないかと思いました。

心に残るレオンの名言集

レオンは印象深い数々の名言でも有名な作品。今回は、その中でも特に好きな3つをご紹介。

私が欲しいのは、愛か死よ

なんて強い言葉でしょうか。しかもこれを言ったのが13歳の少女であり、なおかつ違和感なくしっくりきてしまうあたり、本当に凄いです。

大地に植えれば根を張るわ

レオンの相棒である観葉植物に対しての言葉でありながら、殺し屋を生業とするレオンを皮肉るようなニュアンスがあります。

お洒落な表現というだけでなく、この言葉がクライマックスに繋がるんですよね。

大地に根を張って暮らしたい。決して君を独りにはしない

クライマックスのレオンの言葉、ネタバレになるので多くは語りませんが、珠玉の名シーンであるとだけ述べておきましょう。

まとめ:こんな人におすすめ

本作はこんな人におすすめです。

・ハードボイルドな主人公が好き

・禁断の恋というワードに惹かれる

・雰囲気重視な作風が好み

お話自体はいたってシンプルで、スタイリッシュな映像やアクションを素直に楽しめる作品でもあります。

しかしやはりメインはマチルダとレオンのラブロマンスであり、このあたりの描写はもはや芸術的とさえ言えます。

とはいえ、やはり社会倫理的にはアウトな要素であるため、そのあたりに嫌悪感を抱く人もいるかもしれませんので要注意です。

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